自作PC静音化に成功!40dBのうるさいパソコンを11dBにした対策内容を解説!

  • 2020年5月29日
  • 2023年5月29日
  • PC・家電
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このブログは、『暮らしを少しでも進歩させるネタ』をいろんな角度から探しては紹介しよう、というコンセプトで運営しています。

今回はパソコン環境をワンランク上げるネタです!(個人的にはワンランク以上、向上したと思ってます)

あなたは「パソコン、うるさいなぁー」って思ったことありませんか?

私はしょっちゅう思ってました。で、抜本的にパソコン環境をテコ入れしたんですよ。

そこで、、、

  • パソコンが「ブーン」とうるさくて、作業に集中できない。
  • パソコンがうるさくて、家族が寝ている横では作業ができない。

こういった悩みを少しでも和らげる解決策を紹介したいと思います。

ここで紹介する対策を実施することで、パソコンから出る音がほとんど気にならない環境を構築できました!強いて言えば、キーボードのキータッチ音とマウスのクリック音ぐらいしかノイズは出ませんね。パソコンほんまに動いてる?って思うぐらい静かで快適です!

私のPC環境を格段にレベルアップできたということで、こちら『パソコン静音化』のネタは、2020年の私の暮らしっぷりを豊かにしたネタ第2位にランキングさせてもらいました。

年間ランキング発表

このブログでは、『暮らしを少しでも豊かにするネタ』をいろんな角度から探しては紹介しよう、というコンセプトで書き書きしてるわけですが、1年単位でその年に書き綴ったネタの中から『暮らしが向上した(改善した)』とか『めちゃくちゃ感動した』とか思っ[…]

暮らしを豊かにするネタ!年間ランキング発表!

この記事では

「パソコンから出るうるさいノイズ音ってどこから出てるの?」

「そのうるさいノイズ音をどうやって静かにするの?」

という流れで、まずはパソコンのうるさい音の発生源が何かを見ていきます。そしてその後に、そのノイズ発生源に対して何をすれば解決できるのかという対策方法を紹介します。

ここで紹介する静音化対策の方法をすべて実施できたらベストですが、部分的に取り入れることでも一定の効果は見込めるはず。あなたのPC環境と照らし合わせて、できる対策をお試しいただければと思います。

PC(パソコン)が出すうるさい音の原因は何?

パソコンが出すうるさいノイズ音の原因となる箇所

パソコンのうるさいノイズ音って、何が原因なんだろう。

そう思ったことはありませんか?

物理的にぐるぐると回転する部品がパソコンの中にあるなら、それが原因といって間違いないと思います。

いやいや、ぐるぐる回転するものって何よ?

私のパソコン環境を例にすると、冷却用のファン、ハードディスク、光学ドライブが「ぐるぐると回転するもの」、すなわちノイズ源になります。

[ ぐるぐる回転するもの = ノイズ源 ]
  • その部品自体が風を切ってノイズを起こす
  • その部品自体が振動を引き起こしてノイズを起こす

ぐるぐると回転するものが、うるさい音の原因になってるんですよ。

それではここから、ノイズを発生させる各部品について、少し掘り下げて見ていきます。

【ノイズ源その1】冷却ファン(CPU/GPU/電源ユニット/PCケース)

パソコンが出すうるさいノイズ音の原因の一つ目は冷却用のファンです。

ファンという名前通り、ぐるぐる回転します。そしてその回転がうるさい音をつくり出します。

でも、パソコンの中には激熱になる部品があるので冷却用のファンはどうしても必要なんですよね。

パソコンを構成する基板には、パソコンの頭脳部分であるCPUや映像処理専用のGPUをはじめ、たくさんのLSIチップが搭載されてます。処理スピードが速いLSIチップほど、ガッチガチに動作するとアッツアツに熱を持っちゃいます。ゾックゾクするでしょ。

一般的にはこれらLSIチップたちには、『温度何℃以内で使ってね』という仕様が決められていて、それを超えると壊れちゃう恐れがあるんです。そうならないように、ファンを回転させて風を送って冷却してあげないといけない。

私のパソコンに搭載しているCPU(Core i5-9400F)を例にすると、LSIチップ内部の超えてはいけない温度(ジャンクション温度)は100℃です。100℃を超えると、1万円以上もするCPUが壊れるかもしれないんです。そんなのイヤですよね、絶対。

なのでCPUにはファンをつけて冷やすわけですが、ファンを速く回せば回すほど冷却能力も上がります。パソコン環境によっては、マザーボードに冷却ファンの回転数を制御する機能がついているものもあります。

私は、CPUコア温度が70℃を越えたら冷却ファンの回転数を最大設定になるようにしています。

しかしながら残念なことに、冷却ファンの回転数が上がると、ファンから発せられるノイズ音も大きくなるんですよね。これはイメージしやすいかと。また、冷却ファンの羽根が小さいほど、ノイズ音が甲高くうるさくなりますし冷却能力も下がります。

ノイズ音を抑えつつ、充分な冷却能力を確保できれば最高なわけです。つまりポイントはコレです!

『できるだけ羽根の大きなファンをゆっくり回す』ことができて、かつ、パソコン内の温度が許容範囲に入る構成を考えれば良い

じゃあ、その冷却ファンって何個ぐらいあるのよ?

ファンの個数って、使ってるパソコンによってマチマチなんです。種類的には、おおよそ次の部品に冷却ファンが付いてるんじゃないかと思います。

  • CPU(パソコン処理の中央司令塔のLSIチップ)
  • グラフィックボード(映像処理を専用に受け持つ基板)
  • 電源ユニット(PCの各部品に適切な電気を供給する部品)
  • PCケース(PCの各部品を納める筐体ケース)

なので、これらの各部品について、どんな対策がとれるかがポイントになります。

【ノイズ源その2】ハードディスク

パソコンが出すうるさいノイズ音の原因の二つ目は、ハードディスクですね。

パソコン起動時の「キュイーーン」とディスクが回転し始める音と、不定期に発せられる「カリカリ」という読み書きするときの、磁気ヘッドによるディスクへのアクセス音です。

ハードディスクは、ディスクを回転させて磁気ヘッドでデータの読み書きをします。

そう、ここでも回転が出てきました。ハードディスクのディスク回転数には種類があります。5400rpmと7200rpmの2種類です。

rpmは1分間にディスクが回転する数を表します。

それぞれのハードディスクの特徴を比較したのが、下の表です。

ハードディスク5400rpm HDD7200rpm HDD
ディスク回転速度遅い速い
読み書きスピード遅い速い
消費電力小さい大きい
発熱量少ない多い
価格安い高い

静音PCを目指すために、どちらのハードディスクを選べばよいかわかります?

そうですね。『ぐるぐると回るスピードが遅いもの』『パソコンの温度を高くしないもの』を選べばいいんですよね。

ということで、静音PCを目指すためには、5400rpmのハードディスクを選べばよいということになります。

ちょっと待ってください!もっと根本的にノイズ音を抑える方法が実はあるんです!

これについては、のちほど紹介します。

【ノイズ源その3】PCケースとパーツの接続部分のビビリ

パソコンが出すうるさいノイズ音の原因の三つ目は、PCパーツの取り付け不備です。

ハードディスクドライブや光学ドライブといった、内部に回転させる機構をもったPCパーツは、内部の部品が回転すると振動するんですよ。もう、それは宿命。

なので、こういったPCパーツの取り付けが『甘い』、要はネジ止めが緩かったりすると、ディスクの回転から引き起こされる振動がPCケースに伝わってしまうんです。で、その結果ノイズ音が出てしまう。PCがうるさくなってしまう、というヤツです。

PCパーツはしっかりネジ止めしましょうね、という話です。

プラスαのポイントとして、防振ゴムを挟んでネジ止めできたらベターですね。

【ノイズ源その4】光学ドライブ

パソコンが出すうるさいノイズ音の原因の四つ目として、光学ドライブを挙げます。

光学ドライブはハードディスクとは違って、磁気ヘッドではなくレーザーを使用してディスクにアクセスするのですが、ディスクが回転するという点では同じです。そして、ハードディスクと同じように回転によるノイズ音を発生してしまいます。

これに対しては正直なところ効果的な対策を見つけられていません。

私、光学ドライブってあんまり使わないんですよ。デ、ス、Yo!←無視無視

使うのは、ソフトのインストール時、音楽ファイルをPCに取り込む時ぐらい。

なので、『たまに使う時のノイズは出ても仕方ないぜ』スタイルを決め込む・・・しー-ん

少しでもマシにしたいのであれば、読み書き時の回転数を落とすという方法があるといえばあります。

32倍速対応の光学ドライブだけど4倍速でゆっくりやってね、といった設定で多少ノイズ音は緩和されると思います。もちろん、処理速度は遅くなっちゃいますけど。

私が実施したPC静音化対策した結果(20dB以上の静音化に成功)

静音化対策をする前後のノイズ測定結果を比較

PC動作時ノイズ測定結果(静音化対策前後での比較)

まず初めに、私のパソコン環境に対して、静音化対策を施すことでPCがどれだけ静かになったか、という結果から見ていきましょう。

上のグラフを見てください。上段の2つのグラフは、静音化対策を入れる前後のPCノイズ測定結果です。左のグラフが静音化対策前のPCノイズ測定結果で平均約40dB、右のグラフが静音化対策後で平均約11dBです。

つまり、この結果からコレが言いたい!!

今回紹介するパソコン静音化対策で、私のPC環境では平均約40dBから平均約11dBへのノイズ低減を実現できたことがわかります。

結構がんばったでしょ?20dB以上も静かにできたんですよ。

20dBの差っていうのは音の強さ(音圧)でいうと100倍の差になるんですよ。なので、余裕で100倍以上、パソコンを静音化してやったということになります。

ちなみに、今回の実験方法はこんな感じです。

[ 騒音測定実験方法 ]

  • 測定ポイント:PCケースの排気孔の間近
  • 測定ツール:スマホアプリ『騒音測定器』
  • 測定方法:測定ポイントにスマホを保持して、約40秒間ツバを飲み込んでジッと待つ

測定に使用したツールは下のリンクからダウンロードできます。

参考データになりますが、上図の下段のグラフは、この騒音測定アプリで我が家のドライヤー(Panasonic EH-CNA99)の動作音を測定した結果です。騒音測定器アプリの動作検証、妥当性確認の目的で測定しました。平均62.6dB(最小60.6dB、最大64.9dB)という結果から、このアプリを騒音測定用として使用できると判断しました。

静音化対策後にPCに重たい処理をさせても大丈夫かを確認

PC動作時ノイズ測定結果および温度・ファン回転数測定結果(処理負荷状態で比較)

次に上の図を見てください。静音化対策をした後での確認内容として、パソコンがガシガシ処理してる時とそうでない時の違いを示しています。

この図の左側はWordPressでブログを執筆中の「負荷が軽い状態」、右側は動画編集ソフト(Aviutl)でMP4エンコード中の「負荷が重い状態」の結果で、それぞれにおいて上段はPCノイズ測定結果、下段はPCケース内の温度および冷却ファンの回転数を計測した結果になります。

上段の結果からは、コレが言いたい!

PC処理の負荷が重い状態でもノイズの平均値は16.3dBであり、20dBを超えていないことがわかります。

実際、この高負荷状態でもパソコンから発せられる音はほとんど気にならないです。

下段の結果からは、コレが言いたい!

  • 負荷が軽い状態ではCPU温度は約40℃と高くなく、冷却ファンの回転数は低い状態を維持しているのがわかります。
  • 負荷が重い状態ではCPU温度は急激に上がりますが、CPU温度が80℃は超えないように冷却ファンの回転数を急激に上げる制御がされているのがわかります。

ということで、ここでのポイントはコレです。

高負荷処理を実施しているときにPCがどの程度うるさくなるのか、またそのときにPC内の温度はどの程度高くなるのか、というチェックもとても重要

めちゃくちゃ静かにできたとしても、高温でPCが壊れたら意味ないですもんね。

20dB以上のノイズ低減を実現した静音化対策の紹介

それではパソコンのうるさいノイズ音を静かにする具体的な方法を見ていきましょう。

私が自分のPC環境で、静音化のために取り組んだ内容は大きく分けて次の2つです。

[ 静音化取り組み内容 ]

  1. 冷却ファンの最適化
  2. データストレージへのSSDの採用

それぞれについて、掘り下げて見ていきましょう。

PC静音化に向けた冷却ファン構成の見直しを実施

私が行った一つ目のPC静音化対策は、冷却ファンの最適化です。冷却ファンはPC内のいろんなパーツに付いているので、それぞれのパーツ毎に対策方法を紹介していきます。


CPU冷却ファンに『虎徹Mark2』を採用

ノイズ改善とエアフロー改善のイメージ図

まずCPUを冷やすための冷却ファン(CPUクーラー)を検討しました。CPUに付属のCPUクーラーって羽根が小さいんですよね。しかも、風の向きはCPUの上からCPUに吹きつける方向なので、PCケースの外に排熱しにくい構成なんですよ。

なので、12cmサイズの羽根を持ったCPUクーラー『虎徹Mark2』を買いました!

これ、何が良いかというと、12cmの大きな羽根が生む風量による冷却能力が高いのはもちろん、PCケース外に排熱し易いんですよ。

虎徹Mark2の冷却ファンの向きはマザーボードとは垂直なので、PCケースの前面から背面に風の流れを作れるんです。このサイドエアフロー構成CPU冷却ファンは、PCケース背面の冷却ファンとタッグを組んで、PCケース内の熱気を強力に外に逃がすんですよ。

ということで、虎徹Mark2のオススメポイントはコレ!

[ 虎徹Mark2のオススメポイント ]

  • でかいヒートシンクでCPUの発熱をパワフル吸い上げ可能!
  • サイドエアフロー機構でスマートに強力排熱可能!
  • 静音性、耐久性に優れたベアリング(FDB)を採用!

こういったサイドエアフローシステムが組める点が虎徹Mark2って抜群なんですよね!

冷却ファンは内部に搭載しているベアリングによって3タイプあり、スリーブベアリング、ボールベアリング、流体動圧軸受(FDB: Fluid Dynamic Bearing)の順に耐久性は高くなります。

ただ、CPUクーラーとして虎徹Mark2を採用する際に一点注意があります。それは、PC内のスペースです!

サイズ130(W)×154(H)×83(D)mmの虎徹Mark2を搭載できる空間をCPU上に確保できるかどうかは買う前に要チェック

虎徹Mark2を買ったものの、PCケースに入んない!なんて悲劇にならないように!


PCケースファンの数を必要最小限に

私のPCのケースには前面、側面、背面に1つずつ(合計3つ)のケースファンが標準で付いていたのですが、残念ながらどれも羽根の回転数をPCから制御できないものでした。

ここで、私が行った対策はコレです。

前面と側面のケースファンは停止させ、背面のケースファンについては回転数制御ができるファンに買い換え

ファンの数が増えれば増えるほど、ファンから出るノイズ音が大きくなるのは当然ですよね。なので、実際に使用するファンの数を必要最小限にしました。

背面ケースファンを選んだ理由は、CPUクーラー(虎徹Mark2)のファンとのサイドエアフロー構成に相性が良いのと、前面ファンよりも換装しやすかったからです。

元々ケースに付属していたファンを止めて大丈夫なの?と思った人もいるかもしれませんが、確かにそこはケアが要ります

どんなケアが要るん?

という話ですが、私はCPUやPCケース内の温度チェックをしました。チェック内容はコレです。

PCに高負荷処理を実行させた状態でも、CPUやPCケース内の温度が80℃を越えてないことを確認

温度が上がってきたら、冷却ファンをより速く回すようにBIOSでファンの回転数制御設定をしています。

今後、もし温度が更に上がるようであれば、次はケース前面のファンの買い替えを検討すればいいかなと。まぁ、猛暑の夏シーズンでも特に問題は発生しなかったので、静音化対策した今の構成で大丈夫だとは思いますが。


ファンレス仕様のグラフィックボードを採用

以前からずっととりつづけている私のスタイルがコレです。

冷却用ファンが不要のファンレス仕様のグラフィックボードを採用

理由は明快で、冷却用のファンがないので、グラフィックボードからのノイズ音をゼロにできるからです。

私のパソコン使用用途は、ネットサーフィンやMS-Officeでの資料作り、ブログ書き、音楽鑑賞、ホームビデオ編集、プログラミング学習といったものなので、冷却ファンが不要な低スペックのグラフィックボードでも十分快適にPCライフを堪能できています。

ゲーム等の高精細な映像処理が必要な人は、残念ながらこの対策はとれないですね。冷却ファンの付いた高性能なグラフィックボードが要ると思います。

実使用に不必要な冷却ファンは付けない、冷却ファンの数は必要最小限にする、というのがPC静音化対策の鉄則だと私は思います。


80PLUS GOLD 電源ユニットを採用

電源ユニットはPC全体の要で、電源ユニットが壊れたらこれに接続される他のパーツも壊してしまう恐れがあるので、そこそこ良いものを採用しました。

電源ユニット選びで、私が行った対策はコレです。

FDBファンを搭載し、電源ケーブル脱着可能で、AC-DC変換効率の良い電源ユニットを選ぶ

で、私が選んだのはSeasonicのSSR-650FMです。この電源ユニットの特徴はこんな感じです。

[ Seasonic SSR-650FM の特徴 ]

  • 80PLUS GOLD仕様
  • ケーブル脱着可能
  • FDB採用のファンを搭載

まずは80PLUS GOLD仕様ということで、「AC電源からDC電源への変換の効率が80%以上である」というのが保証されている電源ユニットなんです。80PLUSロゴがついてます。

80PLUSロゴは更に細分化されていて、BRONZE, SILVER, GOLD, PLATINUM, TITANIUMの順でどんどん変換効率が良いものになります。『GOLD』は真ん中のグレード、ということになりますね。
変換効率が高いと何がいいの?

ってところですよね。DC電源に変換できなかった分は発熱されるんです。つまり、変換効率が悪い電源ユニットは、ユニットからの発熱量が多くなっちゃうんですよね。で、PCケース内の温度がより一層上がっちゃうわけです。

なので、PCケース内の温度を低く保ちたいなら、できるだけ変換効率が高いものを選ぶのが良い、ということになりますよね。

なんで、PCケース内の温度を低くしたかったんだっけ?

だって、PCケース内の温度が上がれば上がるほど、ケースに搭載する冷却ファンの数を増やさないといけなくなってきちゃうからでしたよね。冷却ファンの数が増えれば、ノイズ音も大きくなっちゃいますんで。

ケーブル脱着可能って何がいいの?

ここでいう『ケーブル』は、電源ユニット本体から電源供給先のパーツまでのケーブルのことです。

ケーブル脱着可能な電源ユニットを採用すると、本当に必要なケーブルだけを接続すればいいんですよ。そうです。必要最小限のケーブル構成にできるんです。

PCケース内のケーブルの数が少なければ少ないほど、PCケース内の空気の流れが良くなる、つまり排熱しやすくなるわけです。つまりは、PCケース内の温度を低くすることに貢献できるんですよ。

ということで、ケーブルは脱着可能なものがオススメしてます。

逆に、ケーブルの脱着ができない電源ユニットを使っちゃうと、実際には使わないケーブルもPCケース内に存在することになるので、これで空気の流れが悪くなるのは実にもったいないですよね。

『FDB採用のファン』については、高耐久で静音性の高いベアリング機構をもったファンということで、静音性に直結します。

ということで、電源ユニットについては、『FDBファンを搭載し、電源ケーブル脱着可能で、AC-DC変換効率の良い電源ユニットを選ぶ』のが、電源選びにおける静音化対策に最適な方法だと、私は考えます。


冷却ファン構成見直しのポイント

パソコンの理想的な状態としては、PCケース内の温度が80℃以上の高温にならないように、いかに空気の流れ(エアフロ-)を作りだせるかが重要なポイントになります具体的な対策として、以下を挙げました。

  1. 冷却ファンの数を必要最小限にする(PCケース内の温度はケアが必要)
  2. FDB(流体動圧軸受)タイプの冷却ファンを採用
  3. 羽根が大きくて回転数制御可能な冷却ファンを採用
  4. 表面積の大きいヒートシンクを採用
  5. AC-DC交換効率の良い電源ユニットを採用
  6. ケーブル脱着可能な電源ユニットを採用

『できるだけ冷却ファンの数を減らした上で、必要な冷却ファンについては可能な限りFDBタイプを、またできるだけ羽根が大きくて回転数制御が可能なファンを採用』、というポリシーでPC構成を検討します。

それでもって、高負荷処理時でもPCケース内の温度が80℃以上にならないようなエアフロ-を作り出せたら、それが冷却ファンによるPC静音化対策の最適解だと私は考えています。

また、間接的に静音化に貢献する要素としては、ヒートシンクと電源ユニットがあります。

CPUの熱を排熱してくれるヒートシンクはできるだけ大きなもの、つまりアルミの表面積が広いものを採用してCPUを発熱から助けてあげましょう

電源ユニットはできるだけAC-DC交換効率が良いものでPCケース内の温度上昇を抑え、さらに脱着できる電源ケーブル仕様のものを採用して、ケース内の配線をスッキリさせて排熱しやすくすると良いと思います。

PC静音化に向けたストレージの見直しを実施

静音化対策(HDDからSDDへ乗り換え)

私が行った二つ目のPC静音化対策は、システムやデータ保管用のストレージの見直しです。

ストレージについての対策はとてもシンプル!これです。

SSDを採用

ハードディスクって、ディスクが回転する音やデータアクセスする音がノイズ音として出てしまいますよね。なのでハードディスク(HDD)を使わない、という対策です。

SSDを採用することで、ストレージから出るノイズ音をゼロにできました。

SSDには大きく分けて、M.2接続規格とSATA接続規格の2種類の規格があります。SATA接続規格のSSDはM.2接続規格のSSDに比べるとアクセススピードは遅いですが、HDDよりははるかに超速です。

例えば、HDDをSATA接続規格のSSDに置き換えるだけでもPCの静音化に効くし、その上データアクセスも速くなるので一石二鳥だと思います。

「データ保存用に大容量のストレージが欲しいけど、大容量のSSDは価格が高いなぁ」という方は、データ保存用の大容量ストレージには外付けのHDDを用意して、データのバックアップ等の必要なときだけ接続する運用で良いんじゃないかと思います。

私のPCでは、Windowsシステム用にアクセススピードが速いM.2接続規格のSSD512GBを、データ保存用にSATA接続規格のSSD1TBを採用しました。とても静かです!

静音化対策(HDD自体の静音化)

どうしてもSSDを採用できない方は、今お持ちのハードディスクを静音ケースに閉じ込めて使う方法もあります。SSDに乗り換えるまでは、私もその方法を使ってました。SSDのように完全にノイズ音をゼロにはできないですが、ノイズ音を低減できます。

このHDDケース、ノイズ音低減以外にもHDDからの発熱を拡散する効果もあるんです。ケースのふたがヒートシンクの役割を果たしているんですよ。私はこのHDDケースに10年以上もの長い間、お世話になってました。

 

PC(パソコン)環境の更なる静音化

これまで紹介してきた方法で、パソコン本体はガツンと静かになります。そうなると、今度はそれ以外の音が気になってくるものなんですね。実は次にマウスのクリック音が気になっちゃいまして。ここまでくると勝手にしなはれ、の世界ですよ。

クリック音の静かなマウスを採用

マウスクリック時ノイズ測定結果(複数のマウスで比較)

懲りもせず勝手に、パソコンパーツショップでマウスを新調しちゃいました。お店の中で、かなりの時間カチカチカチカチとサンプル品のマウスをクリックしまくりましたよ。Mr.クリックです。キテます!

で、体感的に静かだなと思って購入したのが上の写真にあるLogicool(M331)というマウスです。

それまで使用していたのが、Microsoft(Model1383)で、私が持ってる中でデザイン的に一番好きなものはMONOX(MK 02010)です。話それますが、一番好きな理由はシルバーと黒のツートーンで統一している私のPC環境に最も合うからです。←勝手にしなはれ

さて、これら3つのマウスを、これまた懲りもせずノイズ計測してやりましたのが、上図上段のグラフです。一定間隔でビート刻んで左クリックしたときの測定結果になります。

実験結果からの客観的な数値を見てもLogicool(M331)が最も静かで、実際にクリックした体感的にも明らかに最も静かと感じました。

[ 騒音測定実験方法 ]

  • 測定ポイント:机上
  • 測定ツール:スマホアプリ『騒音測定器』
  • 測定方法:測定ポイントにスマホを置き、約40秒間一定間隔で左クリック

私の書斎は寝室の真横なので、家族が寝てる時にパソコン触るのって結構気が引けるんですよね。Logicoolのマウスに替えてから、そこのハードルが確実に一段下がり、今は夜遅くでもPCで作業ができるようになってます!

私と同じように『マウスのクリック音がうるさい』と感じている方は、商品サンプルのマウスを店頭に置いているパソコンショップまで足を運んで、実際にクリックして納得がいくマウスを選ぶ、というのがベターだと私は思います。

 

キータッチ音の静かなキーボードを採用

キータッチ時ノイズ測定結果(複数のキーボードで比較)

キーボードに対してもノイズ計測をやってしまいました。結果は図の上段のグラフで、「F」のキーを一定間隔で打鍵した時のノイズ計測結果です。MONOXのキーボードはデザインが好きなんですけど、音がうるさいんですよね。

計測結果グラフではそれほど違いがなさそうに見えますが、打鍵時のノイズを表している最大値で比較するとi-rocksが45.7dBで、MONOXが60.1dBなので、15dBぐらい差があります。

この15dBの差は、実際に体感でも割と大きな差として感じられました。

ということで、キーボードによって打鍵音の大きさには違いがあるので、マウスと同じように『店頭で商品サンプルのキータッチ音を静かであることを確認した上で購入する』のがベターだと思います。

私が構築した静音PCのパーツリスト

では最後に、私が構築した静音PCのパーツを紹介します。夜中にPCで作業をしても、キータッチ音とマウスクリック音ぐらいしかノイズが出ません。すごーく快適なPC環境で、私はめちゃくちゃ満足しています。

   パーツ      型番購入価格[円]
マザーボードASUS TUF H370-PRO GAMING11,693
CPUCore i5 9400F17,578
CPUクーラー虎徹Mark2 SCKTT-20004,158
メモリ(16GB)CFD W4U2666BMS-8G (8GB x 2)8,778
グラフィックボードASUS GT710-SL-1GD5-BRK4,378
SSD(500GB)970 EVO Plus MZ-V7S500B/IT14,990
SSD(1TB)CRUCIAL CT1000MX500SSD1/JP13,838
電源ユニットSeasonic SSR-650FM14,938
サウンドカードSound Blaster Audigy Fx (SB-AGY-FX)3,718
(再利用)PCスピーカーBOSE Companion3 記録なし
外付けDVDDVSM-PT58U2V-WHD2,398
(再利用)キーボードi-rocks KR-6120記録なし
マウスM331BK1,980
(再利用)PCケースOWLTECH Spire SP-PALU/S18,000
(再利用)ケースファン8cmファン(PWM制御可能)記録なし

上表の中で静音化に直接的に貢献したパーツは、スマートな排熱を可能にするサイドエア-フローを作り出すCPUクーラー(虎徹Mark2)と8cmケースファン、ノイズ自体を出さないファンレスグラフィックボードとSSD、クリック音・タッチ音が静かなマウス、キーボードです。

この中で、静音化に貢献したパーツはこれらです。

[ 静音化に貢献したパーツ ]
  • CPUクーラー(虎徹Mark2)
  • 8cmケースファン
  • ファンレスグラフィックボード
  • 電源ユニット
  • SSD
  • クリック音・タッチ音が静かなマウス、キーボード

CPUクーラーと8cmケースファンは、スマートな排熱を可能にするサイドエア-フローを作り出すことで貢献、ファンレスグラフィックボードとSSDはノイズ自体を出さなくすることで貢献しました。

また、AC-DC変換効率が良く排熱量の少ない電源ユニットは、PCケース内の温度上昇を抑えることでも貢献しました。また、電源ケーブルが脱着可能なので、必要最低限のケーブルだけ使うことで、ケース内がスッキリして空気の流れが良くなり、排熱効率を上げることにも貢献しました。

今回、PCの静音化だけでなく、CPUをアップグレードする等の高速化も同時にやっちゃいましたので、静音化・高速化にかけた費用としては約10万円でした。

蛇足ですが、この10万円にはFXという資産運用で得た利益を充てたので、『出費した感』はあまりないです。もし、そういった資産運用に興味ありましたら、下の記事も併せてご覧ください。

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[2021年10月26日追記]

一応、上の表で示した私のPCはWindows11に要求される最小システム要件を満たしてました。まぁ、とりあえずはヤホーーーイ、ってことで。

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まとめ

本静音化対策において主に効いた対策

私が実施した『音がうるさいパソコンを静かにするPC静音化対策』について、レビューしました。

[ 今回のPC静音化ポイント ]

1.冷却ファンの最適化

  • 12cm羽根のCPUクーラー採用(サイドエアフロー構築)
  • ファンのないグラフィックボード採用
  • 余分なケースファンの停止(PC温度にはケア必要)
  • 静音ファン搭載の電源ユニット採用

2.ストレージへのSSD採用

1つ目の『冷却ファンの最適化』のポイントは、コレです。

  • CPU温度が80℃を超えない状態を保ちつつファンの数を最小限に抑えること
  • 搭載するファンはできるだけ大きな羽根でゆっくり回すこと
  • ファンのベアリングには高耐久で静音性に優れたFDBを採用すること

私のPC環境では、CPUクーラー虎徹Mark2とファンレスのグラフィックボードが大きく貢献したと思っています。

2つ目の『ストレージにSSDを採用する』ポイントは、コレです。

HDDから出ていたノイズをゼロにできる

ノイズ源がなくなることの効果は絶大ですよ。しかも、データのアクセスは速くなり、Windows10もスコッと立ち上がります。まさに一石二鳥です。

また、オプションとしてPC本体以外の静音対策も紹介しました。キーボードとマウスですね。これらも製品によってはノイズ音の大きさがかなり変わってきますので、こだわってみる価値はあるかと思います。実際に店頭の商品サンプルでクリック音、タッチ音を確認して納得のいくものを選ぶのがいいと思います。

私のパソコンは体感的には、もうほぼ無音です!

パソコンライフがとてつもなく劇的に改善しました!ワンランクアップどころやないですよ。ほんとに快適すぎるです!

私のPC環境の快適さを格段にレベルアップしてくれた、こちらのネタは、2020年の私の暮らしっぷりを豊かにしたネタ第2位にランキングさせてもらいました。

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パソコンがうるさくて困っている。PCノイズ音をなんとか解決したい。そんなふうに感じてましたら、この記事が少しでもあなたのお役に立てることを願っています。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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